著者・鹿島茂氏は律儀なひとだ。 学生のころ吉本隆明『共同幻想論』が理解できなかった。 後年≪エマニュエル・トッドの家族人類学≫を読み≪突如、理解可能≫になった。
そこで『ちくま』に連載六八回、六百頁(ページ 「自分には何も向いていることがない気がする」「本当に好きになれる仕事が見つからない」といった、いわゆる「才能」に関する悩みは尽きません。 「才能に気づけないのは、たいていの場合、努力が足りないからでも ◆異世界に通じる亀裂に迷い込む 英国のエッセイスト、ロバート・リンドに「ささいなことを弁護して」という一編があり、「世界中がこれほどひどいことになっている時期に楽しむ気分になどなれませんでしょ?